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芝国際中学校は、1903年創立の東京女子学園が改名し、中高一貫の共学校として2023年4月に開校しました。
芝国際では、真の国際人を育てるべく、海外のメソッドを取り入れ、データサイエンスの授業やSTEAM 授業、アントレプレナーシップ教育などをハーバード流対話形式で行い世界標準の授業を受けることができます。また、三田駅や田町駅から近く、アクセスしやすいことも魅力の一つです。
芝国際の2023年入試では何が起こったのでしょうか。
2023年芝国際中入試
異常な倍率
学校説明会で、「合格者を多く出します」「教室は空いているのでたくさん取れます」等のアピールをしたため、定員120人に対してのべ4681名の出願者を集める人気となりました。
しかし、実際は合格者数は少なく、倍率が異常な数値になってしまいました。
2023年の芝国際の出願者数・受験者数・実質倍率の一覧です。
(市進学院出願状況参照)
入試日や種類を増やす目的の一つとしては、それぞれの定員を絞り、なるべく多くの優秀な受験生を分散させて集め、偏差値を吊り上げることが考えられます。
入試の種類を多く分けたため、1種類の合格者数はかなり少なく、実質倍率が異常なまでに高騰してしまいました。これは受験者がさすがにかわいそうです。受験生にとっては悲劇と言っても過言ではありません。
合格発表の遅れ
2月1日の23時に予定されていた合格発表が延長を繰り返し、24時45分の発表となりました。
他校の出願締め切りが23時59分という学校もあったため、芝国際の発表を見て他校に出願しようとしていた受験生が、出願に間に合わないという事態が起きました。
1日の合否の結果で2日以降の受験校を決める予定だった受験生の計画は総崩れになってしまいました。
合格発表の遅延の原因は、「合格発表と同時に、受験者数のデータと2月1日午前入試の試験問題・模範解答・解説をアップしたかったが叶わなかった」とのことです。受験生のことを考えるならば、合否だけでも早急に発表するべきだったと思います。
入試当日の動線不備
芝国際の2月2日入試当日、これから受験する生徒の列の横で、1日に合格した生徒への合格証の受け渡しの列があったそうです。
2月2日の受験というのは、2月1日に不合格になった生徒が再受験している場合もあります。1日に不合格になって再受験している生徒の横で合格証を授与するというのは無神経すぎるのではないかと思います。
また、試験終了後、学校側の誘導が悪く、保護者をアリーナに残したまま、受験生との引き合わせに1時間ほどの時間を要したようです。
学校側は、校舎が建設中であったための動線設計ミスであったと説明しています。
算数の出題ミス
2月2日午後の算数の大問3の問題が出題ミスのため、大問3(2)(3)は全員正解とはりました。
算数は1問の配点が高いので、2問も全員正解となると算数が得意な受験生にとってはかなり不利になったのではなかと思います。また、無意味なこの問題に手間取り、ほかの問題に影響を及ぼした受験生も少なからずいたと考えられます。
「入試問題の多くは外注作成で、入試当日に初めて問題と模範解答を見て記述問題の採点作業に関わった教員もいた」とのことですが、入試問題のチェックは事前に入念に行っていただきたいものです。
さらに、1日、3日、5日の問題の訂正もあったようです。
2024年芝国際中入試
2024年の芝国際の出願者数・受験者数・実質倍率の一覧です。
(市進学院出願状況参照)
2023年と比較して、2024年入試は出願者数が80~90%以上も減少しました。
2023年にこれだけの騒動が起きたら当然と言えば当然かと思います。
2023年は入試回数や種類をたくさん設定していましたが、2024年は入試の種類も減らし、適正な入試となったかと思います。
最近は、私立中学校も生き残りをかけて、学校名変更、共学化、グローバル教育など、受験生や保護者に人気のある新設校ブームとなっていましたが、今回の芝国際騒動がその流れに一石を投じたのではないかと思います。
今後はどの学校であっても受験生や入学してくる生徒を第一に考えた学校教育を進めていっていただきたいと思います。
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