中学受験入試におけるインフルエンザ対策【薬剤師監修】

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1.中学入試の事前準備と持ち物

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こちらの記事は薬剤師の先生に監修していただきました。

今冬は、インフルエンザと新型コロナウイルスが同時流行する恐れがあります。そのため、インフルエンザの適切な診断と治療、そして予防が重要とされています。

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インフルエンザとは

インフルエンザ(influenza)は、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症です。流行が周期的に現れてくるところから、16世紀のイタリアの占星家たちはこれを星や寒気の影響(influence)によるものと考え、これがインフルエンザの語源となったと言われています。

インフルエンザは毎年冬期に流行を繰り返し、人口の5~10%が罹患します。流行は歴史的にも古くから記録されていますが、科学的に立証されているのは1900年ごろからで、毎年の流行に加えて、2000万人以上の犠牲者を出した「スペインかぜ」や、「アジアかぜ」「香港かぜ」などの世界的大流行が知られています。また、2009年にはインフルエンザ(H1N1)2009が世界的な大流行を起こしています。

原因

インフルエンザウイルスにはA、B、C型があり、流行的な広がりを見せるのはA型とB型です。接触感染も飛沫感染もありますが、大規模な流行では空気感染の関与が大きいと考えられています。

症状

成人や学童では突然の高熱から始まり、咽頭痛、頭痛、関節痛、四肢痛、倦怠感など全身症状が強いのが特徴です。2~3日で解熱し、そのころから鼻水、咳など呼吸器症状が目立ってきます。高齢者や心臓・肺に基礎疾患を有するハイリスク患者では、細菌性肺炎を合併することが多く、入院や死亡の重大な原因となります。低年齢の乳幼児になると、全身症状は目立たず呼吸器症状が中心となり、RSウイルス感染や普通感冒との判別が困難となります。また、日本では幼児を中心とした小児でインフルエンザに伴った脳炎・脳症が多発することが問題となっています。

治療

安静、水分補給、対症療法が基本ですが、抗インフルエンザ薬も発症予防、重症化予防にきわめて有効です。高齢者や基礎疾患を有するハイリスク患者、細菌感染の兆候が見られる患者には肺炎の合併を考慮して、抗菌薬の投与を検討します。解熱剤は高熱を呈し衰弱が著しい患者に使用します。

予防

予防の基本はワクチン接種であり、12月中旬までに完了することが望まれています。抗インフルエンザ薬(タミフル、リレンザ、イナビル、ゾフルーザ)による予防も特定条件下可能となりましたが、ワクチンの補完的役割であり、保険適用はありません。他の予防策として、手洗い、咳エチケットの励行、湿度の保持などが挙げられます。

報告

インフルエンザ定点医療機関及び基幹定点医療機関が報告を行う5類感染症です。学校保健安全法では第2種に定められており、発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあたっては3日)を経過するまで出席停止になります。

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インフルエンザの予防

インフルエンザ予防接種

インフルエンザワクチンの整備が始まったのは、1957年の「アジアかぜ」が出現した頃です。様々な改良を経て、ここ数十年はインフルエンザウイルスの赤血球凝集素(hemagglutinin:HA)淡白を主成分とする「不活化インフルエンザHAワクチン」が用いられています。1978年以降、A/ソ連らは、従来のソ連型に替えて2009年に大流行したA(H1N1)pdm09株を使用しています。
インフルエンザウイルスは毎年のように変異しながら流行するので、ワクチンは毎年そのシーズンの流行にあわせたものが生産されます。国内販売のどの会社の製品であっても、同じ年度であれば同じ株が入っています。

インフルエンザの流行期は通常12月~3月であり、接種後2週間以降に効果が出てくることから、接種時期は10月~12月上旬とし、12月中旬までに完了しておくことが望ましいと言われています。通常毎年ワクチン株が異なること、同一であってもワクチンの効果は一般に数か月程度であることから、毎年の接種が必要です。

抗インフルエンザ薬の予防投与

今冬は、インフルエンザと新型コロナウイルスが同時流行する恐れがあります。そのため、インフルエンザの適切な診断と治療が重要とされています。抗インフルエンザ薬には投与回数や投与経路に特徴があり、患者の状態による使い分けが必要です。

予防に用いる場合は、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している患者の同居家族又は共同生活者である下記の者を対象とする。
(1)高齢者(65歳以上)
(2)慢性呼吸器疾患又は慢性心疾患患者
(3)代謝性疾患患者(糖尿病等)
(4)腎機能障害患者

添付文書の使用上の注意欄に(1)~(4)の対象者の記載がありますが、予防投与は自費扱いなので、主治医の判断で誰でも予防投与は可能となります。お子さんのかかりつけの小児科の先生にお願いすれば自費で処方箋を出してくださると思います。また、かかりつけの小児科がない場合は、ホームページに中学受験生用に抗インフルエンザ薬の予防投与の実施の旨を明記している診療所もあるので、そちらで処方していただくと良いかと思います。

小学6年生、中学受験生の予防投与の用法用量を以下に示します。(各製剤の添付文書より引用しています。正確な情報は添付文書をご確認ください。)

タミフル(オセルタミビル)

<カプセル>【体重37.5Kg以上の小児】1日1回1カプセル服用、10日間投与

<ドライシロップ>【幼小児】1日1回1包(体重換算により調剤された量)服用、10日間投与

リレンザ

1日1回2ブリスターを吸入、10日間投与

イナビル

10歳以上の場合、1日1回2本吸入、単回投与(1日1回1本吸入、2日間投与にすることもできる)

ゾフルーザ

【成人・12歳以上の小児】体重80Kg未満 1日1回2錠 単回投与

【12歳未満の小児】 体重40Kg以上:1日1回2錠 単回投与、体重20Kg以上40Kg未満:1日1回1錠 単回投与

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我が家の場合

上の子が中学受験をしたときは、10月にかかりつけの小児科でインフルエンザの予防接種をした際に、イナビルを自費で処方していただきました。

イナビルにした理由は単回投与であることと、自費処方で費用が全額負担になるため、薬価がそこまで高くないことです。しかし、これは個人の判断であるため、どの製剤にするかは、処方医と相談して決めるようにしてください。

予防投与日は、入試日2月1日の一週間前にしました。効果が接種後7~10日効くと言われているからです。投与のタイミングも処方医と相談の上、決めるようにしてください。

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